だって面白いのだもの

面白いものはシェアしないと。だって面白いのだもの

アニメ化も実写化もせず自分のテーマを貫く漫画「あひるの空」

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はじめに

  私が一番好きと言っても過言ではない漫画は、「あひるの空」です。

あひるの空は、バスケットボール漫画で週間少年マガジンで連載しています。

この漫画の魅力は、読むと何か自分も頑張らなければいけない,何か頑張りたいと思わせるようなストーリー展開です。

それゆえ、登場人物が自分を奮い立たせるような台詞も多々あります。

したがって「あひるの空」はよくポエム漫画だとか批判されていますが、その人たちは何かを頑張ったことがない人なのだな...と思ってしまいます。

私がいつもこの漫画を人にオススメするとき、「部活を死ぬ気で頑張った人なら絶対に面白い」と言います。

部活を死ぬ気で頑張ったことのない人が読むと、なにかポエムのように感じ取られてしまうのかな...?と思っています。

  前置きが長くなりましたが、今回書きたいのはあひるの空のストーリーの面白さではなく、作者日向武史先生の考え方についてです。

この人の言葉が凄い胸にくるわけです。

自分をしっかり持っているなと思います。

それでは、書いていきましょう。

がっつりネタバレありますのでご注意ください。(単行本化されている部分の)

 

※2018年 アニメ化が発表されました。

 

 あひるの空の魅力

  私はマガジンと単行本であひるの空を読んでいます。

もちろんストーリーは面白いです。

あひるの空は「負ける」ことで有名で20巻まで勝ちません。(正式には19巻なのか...?)

初心者がいるチームがポンポン初めから勝てるわけがないというのが私の考え方でした。

なのでこのストーリー展開は魅力的でした。(少し負けすぎだとは思ったけど笑)

また、28巻で主要人物が退部したりと部活のリアルが描かれています。

正直退部した時はショックがでかすぎて読むのをやめようかと思ったぐらいでした。

ただ、ここまで徹底的に部活のリアルを描く漫画は他にあるか?と思い、読むのをやめたらもったないと思いました。

39巻で完結していますが、39巻以上あります。なにを言っているのか分からない!?読めば分かりますよ。 

 

日向武史先生の考え方

  今回のメインはここになっています。

先ほどマガジンでも単行本でも読んでいると言いましたが、なぜ単行本を買うのか?その理由の一つとしては、自分の家に置いておきたい。これは当たり前ですよね(笑)

しかし、一番の理由は巻末の日向先生の文章(?)みたいなやつを読むためです。

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 ここです!ここに書いてある文章が楽しみで毎回単行本を買っています。

ここには、私の「あひるの空」に対する疑問の解答や「なにか考えさせられる文章」が書かれています。

今回は、私の気になった文章をいくつか紹介させていただきます。

 

 

なぜ電子書籍で売られないのか

 俗に言う大人の事情で、そのうちどんどん本の価格はあがるんだそうな。

デジタル化の影響もあるし、きっと今よりももっと本は売れなくなっちゃうのかも。

漫画家を目指し始めた頃、担当の「どういう漫画を描きたいか」という質問に、自分は「本棚に並べておきたい漫画」と答えた。担当さんは漫画のジャンルを聞いたみたいで、苦笑いしてなんか変な空気になっちゃったけど、信念は今も、ずっと変わっていないです。

このフルボリュームは、その信念の延長線上にある自分なりの「挑戦」です。

だから、今回は謝らない。

「あひるの空36巻」より

あひるの空は36巻から本のページ数が多くなり値段があがりました。

それについてのコメントです。

この中には、私が以前より気になっていた「なぜ、あひるの空は電子書籍で売っていないのか」の答えがありました。

 

確かこの菖蒲戦がくらいからマガジンの電子書籍化が始まって、今はもう作品単体毎にダウンロードできるらしいです。

"本が売れない時代に"に、出版社自ら突っ込んでいっている気がしないでもないけども。

いろいろ批判があると思うけど、あひるの空の単行本は現時点でほぼ全ての電子書籍化を断っています。

作り手が"本"になることを想定して描いている以上、読者に届く形態はやはり"本"であってほしいという僕の勝手な要望です。

「あひるの空42巻」

マガジンの電子書籍化が始まったときのコメントです。

私は本で読まれることを前提に描いています。だから、本で読んでほしい。

これって捉え方を変えてみると、「本で面白くないと言われたらそれは言い訳できない」という事になります。自らを追い込む姿勢。

 

 なぜ映像化しないのか

あひるの空(39) (少年マガジンコミックス)

 過去に2度、映像化の話をもらったことがある。頂いた脚本の結末はどちらも「空がNBAの舞台へ・・・」だった。

一回目は「テーマと違う・・・」と思って断ったけど、二回目のときは巻数もそこそこ進んでいたし、正直「まだ解って貰えてない」というダメージの方がでかかった。

「あひるの空39巻」

アニメでNBAの舞台へ....なんて終わらせ方はないと思うので、これは実写の話だと思います。(憶測)

この人本当に売れるために漫画を描いていないのか...っとびっくりしました。

「自分の作品を完成させる」ことを目的にやっているのですね。

だから、テーマが違うときちんと断る。素晴らしい信念です。

 

 犠牲にしたもの

 

あひるの空 AROUND THE ROUND(41) (講談社コミックス)

大事な人がこの世を去るその瞬間も

僕はただただ必死に漫画を描き続けていました。

ごめん、お母ちゃん(笑)

「あひるの空41巻」

 

自分の作品

あひるの空 RAINDROP NARROW DOWN(43) (講談社コミックス)

僕は普段からこのあひるの空という漫画を"自分の作品"と称すことが多いのですが、マガジンという商業誌で連載して本を出させて貰っている以上、本当は"会社の作品"という解釈が正しい訳で。

その間違った認識は、きっとこういう仕事をしている人たちにとって少なからず共通の葛藤だと思います。

「あひるの空43巻」

 

まとめ

自分の作品を作り上げるためには、犠牲にしなければならないものがたくさんあります。

利益や,大切な人との時間。

アニメ化や実写化,電子書籍化で得られる目先の利益にはとらわれない。

アニメ化や実写化が自分のテーマと違うものであるから断る。

これってすごく難しいと思います。

読者にも、日向先生とマガジン編集部になにか問題があったのだな...と思う時があります。

その度にここまで闘うか....と思います。

それだけ強い思いで描いている漫画だから、"なにか自分も頑張りたい"と思えるのではないでしょうか?